バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

萬里は祈祷師【第一の人生】7の章

少し前後してしまいますが、
萬里の現世での始まりの話をちょっと。

 

萬里は小さい頃(〜6才まで)

祖父母の家で

曾祖母・祖父母・両親・弟・妹と

暮らしてました。

 

とても信心深く優しい祖父母と曾祖母、

このあたりの方言で呼んでました。

曾祖母→ちんか(小さい)ばあちゃん

祖母→おっか(大きい)ばあちゃん

祖父→じいちゃん

萬里は曾祖母っ子で

いつも「ちんかばあちゃん」にくっ付いて

ご先祖様や自宅、近所の色んな神様の

お世話をお手伝いしてました、

お年寄りのアイドル萬里ちゃん。

 

年に何度か、法事や行事で

親戚が集まる事が多く

行事の中身がなんであれ

その集まることがとても楽しかった。

 

法事といえば、「お坊さん」

お坊さんもよく来てましたが、

時々、目の見えないおばあちゃん(祖父母の友人)

「今さん」が

不思議な行事を行いに来てくれてました。

 

萬里は行事の中でも、

今さんの行事が一番楽しみだったのです。

 

今さんは経文を唱えます。

お坊さんが来た時のそれとは

また少し違うような気がしてましたが、

子供なので内容の違いはよく分かりません。

 

経文を唱える時は

分厚い経典をアコーディオンのように

ブゥワサーッ、ブゥワサーッって

開いたり閉じたり。

 

集まった人間みんなで輪を作り

何メートルもある

テニスボールくらいの大きさの

数珠を

南無阿弥陀仏」と唱えながら

軽快にひたすら右回ししていく。

 

数珠の親玉は更に大きくて、

親玉が自分のところに回って来た時は

軽く持ち上げ

「ありがとうございます」と頭に近づける。

 

そのタイミングを逃さないように

親玉を目で追いながら

手元に来たら「よっしゃー!」て。

 

子供にとっては

みんなでやるゲーム感覚で

ただただ楽しい行事だった。

 

多分本来の趣旨とは外れていたと

思うんだけどね・・・。

 

それ以外にも、

たまに

今さんが何かをしに来ることがあって

その最中は子供達は追い出される。

 

部屋の中に入ることはもちろん

家からも出ていくように

手配されるのだ。

 

じいちゃん達と

別に暮らし始めた小学生の時、

萬里の自宅に

今さんが来てた時があって

その時も、保育園や学校に行っている時間に

何かが行われていた。

 

気になってしょうがなくて、

「今さん来てたなら、萬里もそこに居たかった!」

と軽くゴネてみた、

しつこい萬里に「秘密だぞ!」ってことで

母からその内容をこっそり聞いた。

 

実は、父に狸が憑いてて

そのお祓いをしてもらっていたのだと・・・。

 

『えっ!?今さんって何者?!!』

 

実は、今さんのお孫さんは

萬里の同級生だったのです。

 

その気になれば聞く事もできたんだけど

その子、なんだか少し気味悪くて

話しかけることは一度もありませんでした。

 

今思うと、今さんごめんなさいっ。

大人になって

役目を知った萬里が

その時の

色々な今さん内容を思い出すと

もしかしたら、彼女は霊能者と呼ばれる方だったのでは?

って、今更ながら

もっとたくさん話をしておけばよかった〜

と後悔もしている。

 

萬里は子供の頃から

姉弟の中でも一番病気がちでした。

年に何度も高熱を出し、

扁桃腺が腫れる、
常に車酔いは酷く

旅行とか、他所の土地に長居すれば

嘔吐を繰り返し寝込み、

学校のバス遠足なんかは

いつも恐怖と苦痛とストレス。

高校生になっては

毎日のように頭痛で

目の前が真っ暗になることも・・・

保健室通いの学生時代

 

そして幼い頃からよくあった事
不思議に思う事、

なんだかわからないけど怖いと思った出来事
聞こえたこと、視えたこと
それを家族に伝えると

みんなからことごとく
「気のせいよ、夢見ただけよ」と

言い続けられて育ちました。

 

信心深いけど、そういうことには否定的。

今さんのような存在が身近にありながらも

実際

家族にそんな人間がいるとは

思わないものなんだな。

 

萬里がお役目を知った時、

今さんについて

母に尋ねたことがある。

「今さんは、若い時に病気で目が見えなくなって。

目が見えなくなった時から、

現実では無い物が見えるようになった。

それから、色んな修行を始めて

もっと色んなことが

分かるようになったらしい。」

 

萬里が気付いた時には、

今さんは亡くなられてました。

もっと早く気付いていれば、

新人の萬里は

先輩からアドバイス

もらえたかもしれないのに・・・。

 

生活を見ていくと、

父方のじいちゃん、ばあちゃんとの縁が

強かったように思えますが、

実は萬里の名前を付けたのは

母方の祖父でした。

命名に関しては

そんなに話題にのぼらなかった事

だったけど

コレ、割と重要な事だったのです。

 

そんなこんなで

家族からは否定されるけど

自分の中で、

根拠はないけど確信がある

不思議な事は盛りだくさんだった

萬里

知るはずのない事を知る自分に

気付き始め、疑問を持つことが増えてきたのは
19歳、最初の出産をしてからのことです。

 

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