バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第三の人生】88の章

*登場人物*

・萬里→主婦でお役目持ち。霊の移動?!思いつきでやってみてわかることもある。

・ちいさん→治療院の先生サクヤさんの奥様。ここんとこ萬里の修行対応のためのイタコさんのような存在です。依代とも言う。

 

 

頭の中に見えるコブのある男性に

話しかけてみた

 

萬里『もしよかったらお話ししたいので、

今傍にいる女性の方に行ってもらえませんか?』

 

男性は驚いた顔をした

 

あ、よくわからん世界観だけど、

萬里の身体に入ってるくせに

いざ話しかけられるとびっくりするんやねw

 

生きている間に人から

話しかけられることもなかったんだろうか?

少し怯えてる気がする・・・

 

萬里『怖がらなくても大丈夫です!

お話ししたいだけだから。

ただ、この耐えられない痛みを

どうにかしてあげたいんです。』

 

してあげたい。とか偉そうに言ってるけど

実際は自分が耐えられないというね

そこら辺は、多分相手はお見通し

 

彼はビクビクしているけど

萬里の一言で萬里の中から消えた

背中の痛みの余韻は残ってるけど

数日間耐えてたからこれはしょうがない

 

ちいさんを見ると

しかめっ面で背中をさすっている

 

萬里「ちいさん、どう?

来た感じする?」

 

ちいさん「うん、来てるね。

背中痛いし、さっき萬里ちゃんが言ってた

感情とか状態が流れ込んできてる。」

 

萬里「よし、対応しようかね。」

 

ちいさんの背中の痛いところに手を当てる

まず彼のコブの痛みを取り除いてあげる

 

というイメージ

 

イメージすれば負担になっていた

そのコブも綺麗になくなって

真っ直ぐ立てるようになった

 

痛みや姿形だけでなく、

本当の自分はどんなだったか?

どんな自分でありたかったのか?

本当はどう生きたかったのか?

 

今望むことはなんなのか?

周りに抑圧され蔑まれて

たくさんのことを見失っていた

それを思い出してもらう

 

一つの問題が解決すると

次々と問題が起こる場合はよくある

 

でも、逆に一つの問題を解決すると

数珠つなぎに道が見えてくることもある

 

痛みを取ったら次は

彼の人生の中で叶えられなかった

事の一つ『友達』になろうと思った

 

彼は抱えていた本当の想い(願い)を

たくさん思い出したようだ

表情がみるみる明るく変わっていく

 

自分が好きな自分になること

それが大事

 

それから肉体的な欲求を満たしてあげる

『お腹いっぱい食べなさい』

 

現実

萬里の家に大した食べ物はなかった

だけど、こういう対応の時のために

飴玉やチョコは置いてある

 

食べたい固有のものがあれば

それを一口食べてあげるのが一番良いけど

何もないときは口に入れるものがあればOK

 

ちいさんが飴玉を食べて、

美味しいお饅頭を想像させる

すると彼はお饅頭を頬張る

という構図になり、

次第にお腹がいっぱいになる

 

全てがイメージなんです

想像力は果てしなく自由自在なんです!

 

満足したコブの無い普通の彼は

光に吸い込まれて行った

そうです、天に還ったのです

 

気の毒な一生だった彼の供養対応をして

改めて思った、

どんな姿でも、そんな病気を抱えてても

同じ人間として生まれたのなら

みんな同じ人間の扱いをされるべき

 

人の優劣は他人が決めていいのもでは無い

 

せめて自分くらいは誰にでも

分け隔てなく接していこうって

 

あ!でも

もちろん悪人は容赦しませんよ

悪意のある悪人はね

 

供養対応後のちいさんは

やっぱり今日も平気な顔をしている

モミちゃんもちいさんもなんでやろか

実に羨ましい

 

そんな萬里はこれからまた数日

余韻の痛みと共に過ごしたのでした・・・( ;´Д`)