バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第四の人生】59の章

*登場人物*

・萬里→主婦でお役目持ち。歴史と地理に関しては非常に無知。覚える気も学ぶ気も興味もなかったけど・・・

 

 

霊達は時も場所も

こちらの都合なんか

全く関係なく

やってくる上に

呼び出してくる

 

萬里は昔から

どうしても苦手な

土地がある

 

車の運転をするようになって

友達も増えて

色々な所へ行く機会が増え

 

あちこち遊びに

行ってたんだけど

 

その土地の中に入ると

どうしても抜け出せなくなり

家がどの方面なのか

どこをどう走れば

久留米に帰れるのかが

全く分からなくなる

迷路にハマったような感じ

 

元々方向音痴ではあるけど

このまま帰れなくなったら

どうしよう・・・って

不安がこみ上げるほど

長時間迷わされる

 

今となっては

それにも意味があったって

分かるんだけどね

 

だって今でも時々

勝手にハンドル切ったり

行きたい場所に

辿り着かなくて

予想もしてない場所に

行き着くという

現象はよくある

 

そんなことが

これからは

日常になりますよ

ってH氏に言われてから

時々車で

当てもなくふらっと

出かけるようにした

 

呼ばれてる場所に

必然的に辿り着くように

なってると思ったから

 

道端で忘れられてる

お地蔵さんや祠を見つけては

お掃除してお水あげて

線香焚いたり

お花を手向けたり

 

ご縁を持つことは

これからは強みに

なるかもしれないと

思ったしね

 

そんなことを

何日か続けていると

毎回必ず辿り着く場所が

出てきた

 

駐車場もなく

交差点の角だったので

気にはなるけど

車を停めてまで

降りることはなかった

 

う〜ん

でもやっぱり気になる

 

夏が近付くに連れて

もっともっと

気になるようになってきた

 

これは行かねば

ならない場所なんだと

思い立った

 

外から見た限り

草ボーボーで

誰かが手を合わせて

いるような様子もない

なのに、その石碑は

とても大きく祭壇まで

設けてある

 

公園とまではいかなくても

かなり広い敷地

 

『結構意味の大きな

石碑なんだろうな』

 

誰も手を入れてないのなら

萬里がやろう

それで喜んでもらえる

かもしれない

もちろん草刈りもするつもり

そのつもりで装備も万端

 

すぐ隣に会社があって

迷惑かもしれないけど

勝手に歩道に車を

駐めさせてもらった

 

本当に草ボーボー

草刈りだけでも

ずいぶん時間を取られそう

 

石碑を近くで見てみると

『大原合戦五万騎塚』

って書いてある

 

ご存知の通り

萬里は歴史に疎い

この合戦が

どんな時代背景で

あったのかすら分からない

 

何か説明みたいなもの

ないのかな?と

探してみると

 

この塚の由来が記してある

看板を見つけた

 

おお!

日本の三大合戦の一つ?!

 

関ヶ原川中島と・・・

あと一つが

自分が住むこの地域を

舞台にしたものだと

今初めて知った!!!