バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第四の人生】68の章

*登場人物*

・萬里→主婦でお役目持ち。高校生の頃の思い出

・ヤマ→高校の同級生、演劇部所属。一緒にダンスチーム組んでた女子。

 

 

うん、一度は聞いてみたい

ただの興味本位で

「何か憑いてる?」

 

でも、従姉妹の親友は

暗すぎてなんか

ちょっと怖い感じ

普段萬里は

人見知りしない方なんだけど

何度会っても

気軽に話しできる感じには

ならなかった

これが霊感の強い人の

特徴だろうか?!

とか思ってた

 

ヤマの友達の方が

話しかけやすいかも!

 

休み時間ヤマと一緒に

その霊が見える友達

Mさんに話しかけてみた

 

萬里「霊が見えるんやろ?」

 

Mさん「うん、この学校は

中絶してる人多いみたいで

水子がまとわりついてる人も

結構いる。」

 

萬里「へぇ、そうなんだ。

萬里に何かついてるの見えない?」

 

Mさん「腕の上に何か小さいのが

乗っかってるのが見えるけど。」

 

萬里は瞬時に思った

『絶対シェリーちゃんだ!』

 

シェリーちゃんとは

中学の頃から大切に飼っていた

ハムスターのことで

この数ヶ月前に

亡くなったばかりだった

 

それが何かとは聞きもせず

シェリーちゃんが護ってくれてる

って思い込んで

浮かれた一日となったのでした

 

これ以来Mさんと

話したことはほとんどない

 

卒業後も定期的に

山岳部と演劇部の飲み会やらに

誘われて行ってたんだけど

そこにMさんも

毎回居たんだけど、

離れた席に座って

会話をすることは全くなかった

 

最後に会ったのは

ヤマの結婚式の

二次会だったのかな?

 

実は山岳部に居た

『タニ』って男と

ヤマは結婚したのだ

 

萬里は部活関係ないし

三者的立場の外野だと

思っていたのに

なぜか友人代表スピーチや

二次会の全てを任されて

アタフタしていた

 

慌ただしく結婚式も終わり

新婚旅行にも行き

お土産を渡したいからって

タニヤマ夫妻と会うことになった

 

ヤマ「萬里!

色々ありがとうね!

萬里に頼んでよかった〜!」

 

萬里「いやぁ、

もう勘弁してほしい。

ああいうの大変やし〜!

てっきりMさんに

頼むのかと思っとったわ!」

 

ヤマ「あぁ。

多分Mさんとは

今後もう付き合いしないと思う。」

 

萬里「え?なんで?

演劇部でずっと一緒やったし

仲良かったんやないと?」

 

ヤマ「それがね、

スピーチも二次会の事も

一度お願いしたんよ。

でも、妊娠してて

つわりが酷いから

お断りします!

披露宴も呼ばなくていいです。

って言われてね、

呼ぶ前から断られたんよ。」

 

萬里「え?その程度の

付き合いだったわけ?

ヤマもタニも

よく知ってる友達やし

長年付き合いしてきてるんやし

何度と無いお祝い事だよ?

病気やないんやし

入院レベルではないなら

萬里ならつわり酷くても来るわ

迷惑かけたとしても(笑)」

 

ヤマ「うん、私も

そう思ってくれると

思ってたんよね。

言うたら私も妊娠中やし。

断られたけど一応

披露宴と二次会の場所時間は

連絡しておいたんよね。

もちろん披露宴には来てないけど

二次会に来てたの気付いた?」

 

萬里「会計は他に任せてたし

萬里司会で必死だったから

気付かなかった^^;」