バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第一の人生】45の章

*登場人物*

・萬里→主婦生活(初めて出会ったパワーストーンで心身ヤラレ中)

・村さん→鹿児島の本物能力者(表の顔はお花屋さん)

 

両手で玉石を包み込み、

しばらく村さんは黙った

萬里らも静かに見守る

「はぁ~っ」と村さんが

顔を上げた

 

村「これじゃ体調悪くなって

当たり前ですよ~。 石は色々なものを吸い込むので、

それが溜まりすぎると

人に害を及ぼします。 旦那さんにとっては

相性が良く良い効果があっても、

あなたにとっては 必ずしも良いものではなかったり、

石と人とは合う合わないがあるんです。

すべてがそうとは言いませんが

コレに関してはそうです。」

 

あ~なんか納得 一緒のベッドで同じ枕元に置いてるのに

ダーリンはケロッとしてる

萬里の体調の悪さは

『いつものか・・・』

とまた思われている

なんかムカつく・・・

それを渡した整骨院の先生に

対しても改めて不信感

村さん「この石、

浄化はしたので

もう大丈夫ですが、

どうしますか? 持って帰られますか?」

 

萬里「要らんです!

もちろん処分お願いします!!!」

 

石がどんな物なのか

ハッキリ分かった今、

浄化していただいたからといって

持って帰る気にはなれない

またお手間をとらせてしまって

申し訳ないが

萬里にはどうもこうもできないので

村さん今回もどうぞよろしくお願いします。

です

 

萬里は2カ月の苦しみから

やっと解放された。

 

パワーストーンの強さと怖さ、

取扱い注意!

この一件でパワーストーン

対するイメージは『呪いの石』に近い

 

現在の萬里はパワーストーン

ブレスも作ってるし

必ずしも悪い物ではない事は分かっている

人を護る御守りとして

強力な力があるのも知ってる

 

だからこそ、適当に作った物を

売ることはしない

 

その人に今必要な、

その人に良い作用をもたらす

その時に必要な石を、

必要とされた時に

その人のために選んで

作るようにしている

でも、この時の萬里は

パワーストーンって

ただただ怖いものでしかなかった

萬里は絶対パワーストーンなんか

持たない!と強く思った

 

簡単に触れられないし、

石屋さんになんか

とてもじゃないけど行けない

 

結婚前に一悶着あったバングルも然り 物質に宿る見えないものが

強力な力を発揮し その物質の力と合わさって

脅威となることが

この日確定的になった。

 

勝手に持ち出して

勝手に村さんに

石を託してきた訳なので

一応帰宅後

ダーリンに報告はしましたよ

 

「うっち先生は信用できん!」

 

だからと言って

嫁の言うことを

すんなり聞くことはない

ダーリンの萬里に対する信頼度は

下の方に感じる

 

うっち先生>先輩達>自分>萬里

 

その後もダーリンは

うっち先生のところへ通う

 

不信感はあるものの

どこか他へ行こうにも

萬里はうっち先生のところ以外

他の良い治療院を知らない

 

ダーリンはメンテナンスも

仕事の内なので

先輩や同僚の紹介で

色んなところへ行ってるから

『俺の方が詳しい!』という

スタンスを崩さないため

 

どこか他のところへ行こうかと思ったら

ダーリンのいう通りの所に

行かないといけない空気感

 

本当のところ

治療家、治療院について

何も分からない萬里にとっては

技術や治療法よりも

施術者の人間性の方が

非常に気になってしまう・・・