バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第一の人生】46の章

*登場人物*

・萬里→再婚で主婦(うっち先生に不信感を持ちながらも、まだ通っている)

・ミカちん→萬里20代前半からのお友達(昔萬里の店を手伝ってもらっていた、同じ年で今も仲良し)

・ユカり→ダーリン仕事の先輩の奥様(同じマンション住み、いつの間にか仲良しになっていた。年上だけど呼び捨て)

・うっち先生→大分の整骨院の先生(色々と不信感・・・霊能力があるという噂?)

 

 

また新たな情報が舞い込む

 

萬里はテレビの世界の事と

思っていた。

 

うっち先生は施術をする時 『氣』を出しているという話

 

『氣』って?

 

テレビでよく見るやつは

怪しいそれらしきおじさんが ゲストを氣で倒すみたいな・・・

 

実際どんなものなんだろう?

 

今度はうっち先生の手から

『氣』が出てるってのを意識しながら

治療してもらおう

ダーリンが居ない時に

一人で行くのが嫌だって事もあり〜の

友達も色々と不具合多そうなので

ドライブついでに一緒に行こう!

って事で楽しく通うことにした

 

最近何かと一緒に居る

ミカちんとユカり

気を遣わなくて良い

楽しいメンツ

 

流れ作業のように進められる治療なので

三人はずっと同じ空間にいる

お互いの身体をどう扱われているのかも

横で眺めることができる

 

うっち先生は

ただの整体師ではない前提で

ユカりは相談をした

 

萬里からすれば

その内容はとても深刻なもの

ユカり「母が胸にしこりがあって

癌かもしれないと・・・。

家族みんなとても不安になってるんです。

どう接してあげればいいと思いますか?」

 

うっち「そんなことは病院に

行って医者に聞きなさい!」

たしかにそうなんだけど

聞きたかったことは心理的なこと

心の話

なんか今日のうっち先生は

特に挑発的

 

その後の施術も

失礼極まりない

ユカりがうつ伏せになったところ、

背中に乗り、立ち上がり

楽しそうに サーフィンさながらのバランスを取る

『なにこれ?ふざけてんの?』

 

そして施述中会話の中では、

ユカりに向けて

 

うっち「あなたはまず

その腹黒さを治さんといかんね~

自分のことしか考えてない人やんね〜」

とかバカにしたようなトーンで

言いたい放題言ってる

 

『なんだと!?このヤロウ怒り

 

ユカりは誰よりも純粋で素直で

誰よりも自分を犠牲にして

人に尽くす人間だ

 

ミカちんは、気が利いてて

肝の座ったお母さんみたいに

萬里とユカりのお世話を

よくしてくれる

 

普段めちゃ喋るのだけど

誰にでも

すぐに気を許すタイプではないし

ユカりや他の患者に対する

うっち先生の対応を見てたから

この日は必要以上の

会話をしなかった

 

ミカちんは状況判断が早い

ていうか、うっち先生にドン引き

 

決して弾んでなどいない会話で吐く

心無い言葉 三人とも顔を見合わせて苦笑い

 

で、

『氣』って一体なんなのよDocomo108

 

それでも、その日も

患者は相変わらず多く

その中には見るからに

精神疾患の高校生の女の子

制服のままで 母親が連れ添って来ている

 

『身体の治療というより

心の問題の相談に来ているのかな?』

そう見受けられた

 

カーテンの向こうでうっち先生と

その親子は何か話している

するといきなり怒鳴り声

うっち「あんたが言うこときかんけん

治らんとたい!!言うこときかんなら

来んでいい‼︎」

 

うわぁ、何があったかしらんが

こりゃひどすぎるゆう★

 

帰宅して即座に

ダーリンに今日の出来事を話した

萬里「なんで、あの先生を信じて

ついていくと?あの状況と

言葉は 人としてどうかと思うけど?」

 

ダーリン「俺の先輩も同僚も

あそこに行って仕事の成績もよくなったし 俺も徐々に良くなってる、

お前は合わんかもしれんけど 俺たちには普通やし、

逆に優しくて親切やけん

行くのをやめるつもりはない。」

 

あ~、今はなにを言っても無駄か。

 

そうね、たしかに

ダーリンとそのお連れ様方には

いつも特別待遇だ

お金のニオイがするからか?

これからはうっち先生の所へ

しばらく足を運んで

萬里の観察眼で

ダーリンが何かに気付ける要素として 揚げ足取るところを見つけよう。

萬里は

うっち先生の所に通うダーリン同僚の話を

よく聞くんだけど

 

直径3040cmほどの水晶を買ったとか 健康にいいお茶を買ったとか 心身のバランスを整えるのに効果のある

シールがあるとか

 

胡散臭さに磨きが

かかっている

 

ダーリンも手首や足首に着けると

微弱な電気が流れるという シリコンみたいな黒い輪っかを

8本セットで買ってきた

飲料水でさえ

うっち先生の金儲けのツール

 

藁にもすがる思いの人が

こんなにも沢山いるんだ・・・

 

もう先生の所へ行っても

込み入った話はしないようにした

身体の捻じれが治ってきた!

という実感も相変わらずない

 

『氣』が何なのかも分からないまま

 

そんな時

ダーリンの同僚から

沖縄行きの誘いがあった

萬里はその頃まだ

沖縄へ行ったことがなく

目的が何であれ 息子と3人での旅行となるなら

それは賛成

 

沖縄へ着くまで

その目的が何か?

聞くことはないまま

 

知らなくていい

ただ沖縄を楽しめればゆう★