バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第一の人生】60の章

*登場人物*

・萬里→まだまだ主婦してます(何かを感じることは多い)

・ダーリン→萬里の夫(全国へ出張が多い)どちらかというと鈍い方

 

ユカりの事はずっと

気に掛けている

きっとユカりは

萬里には分からない大変な毎日を

送っていると思う

 

それぞれの日常

それぞれの生活

 

萬里家では普段通り

ダーリンは仕事で

青森へ行った

その宿泊先は

『落武者』が出ると

有名な建物

ダーリンは今まで

仕事で何度も行ってる場所

毎回その噂を実証するような

不思議な出来事をいくつか

聞いたことがある

 

大分のうっち先生のおかげか 裏先生のおかげかは

分からないが

ダーリンの足は、

ある程度

普通に使える状態になったらしい

 

青森へ行くまでの

ダーリンの状態がどうだったか

萬里はよく覚えていないんだけど

健康状態は悪くなかったから

いつものように仕事に行ってたはず

 

数日間青森に泊まって ダーリンが帰宅

玄関のドアが開いた瞬間 萬里アンテナは

『何かが侵入してきた!?』

と感じた

廊下を歩いて

部屋まで来るダーリンが

何かを引き摺っているような

イメージが湧く

ゆう★

 

リビングに入ってきた

ダーリンの姿が見えた時に

大きな影が 覆いかぶさってるのが一瞬見えた

『ん?気のせいかな?』

 

ダーリン帰宅後の第一声 ダー「キツい、ダルい、

体が重い、横になりたい、

俺なんかおかしくない?」

 

萬里「う、うん・・・。

何か憑れてるんじゃないかな・・・」

 

ダー「やっぱ青森は

そういう霊的な噂が多いしなぁ、 今回宿泊した部屋でも

おかしな現象が続いてたし。 まぁ、俺は

うっち先生からもらった

御札があったから大丈夫と 思ってたけど、

最終日からドーンと疲れが・・・」

 

コイツ、うっち先生から

まだ何かもらってるわ・・・

そんな話聞いてないが・・・

 

萬里がどうこうできそうなヤツ

ではないのはわかる

ただ、今この時点で

感じたことを丸ごと言うのも

煽るみたいやし

どうせ萬里の言う事なんか

信じないだろうと思い

しばらく様子見て

いざとなったら鹿児島の村さんに

連絡しようと思った

 

その日から

ダーリンは体調が悪く

夜眠れなくなったようで 朝起きれなくなり、

仕事も休みがちになっていった

目の下のクマも酷く 病院へは行っても

内科で睡眠導入剤

もらってくるだけ

どう見ても

その状態で行くべき病院は

心療内科』だろう

と思うのだけれど

ご飯も前ほどは

量を食べなくなった

 

日に日に、黒い影が

濃く大きくなっていく

 

明らかに『何か』の影響で

心身共におかしい そんな状態が数ヵ月続いた・・・

 

萬里はお風呂に入る時

いつも洗面所のドアを

15cm程開けている

洗面所で風呂上がりに

髪を乾かしていた時 萬里の腰ほどの高さから

視線を感じた

 

『ハッ!!!』と

ドアの隙間を見た時 男の子と目が合った、

その瞬間

男の子はササッと逃げた

 

『なんだ息子か・・・』と気に留めず、

髪を乾かしきった時

『あれ?』と思った

 

とりあえず、

息子に聞いてみたが知らんという

よ~く考えたら息子は中学生、

さっき見た子は

どうみても小学校へ

上がる前くらいの大きさ そして着物を着ていた、

時代が違う感じ

 

それに萬里は少しの隙間から

目が合っただけなのに なぜか様相を把握している・・・

 

あ!!!違うわ!

さっきの子は生きてないヤツだ!!!

 

その後すぐ

ダーリンにその事を話した

萬里「さっき小さい男の子が

フロ場覗いてたんだけど!?」

 

ダーリン「マジで?!

それ何か分からんと?」

 

萬里「うん、わからん、

ただ小学生になる前くらいの年の

昔の格好した男の子」

 

ダーリン「怖いけんもう言わんで!」

 

だよね・・・

 

それからまた数週間 今度は

ダーリンが家に居る時に限り

女性の姿を

感じるようになった

着物ではなく

少し昔の洋服を着ている

あの男の子は相変わらず、

夜中になると

バタバタ家の中を走っている

 

それに気付いているのは

家族の中では

どうも萬里だけのようだ

 

そんなある日 ダーリンが大きな車のおもちゃを 手にして帰宅した 息子に買って来た

にしては幼稚すぎる

 

萬里「それなに?」

 

ダーリン「今日

うっち先生の所に行って、

相談してみた! 家の中に男の子がいるって

嫁が言ってるって、 そしたら『それは座敷童だから

大事にしないといけない! 男の子が喜ぶおもちゃを

置いてあげなさい!』

って言われたんで、

これ買ってきた。」

 

『どう考えても違うやろ・・・ふふっ。

 

だってこの時点で

仕事を休みだして

何ヵ月も経っている

ダーリンは仕事柄、

休んでも入院しない限り なんの保障もなく収入は0だ。

息子や萬里の貯金を

切り崩して生活をしている しかも息子は受験も近いし、

お小遣いすらあげていない

こんな火の車の状態で

何が座敷童だっびっくり

バカタレがっびっくり

 

ダーリン自身も

不審に感じ始めていたはずの

うっち先生になんで相談したんだ?!

 

腹立ったから

霊的な話は一切しないようにした

 

車のおもちゃは

座敷に置いてある

毎度の夜更かしをしていると、

必ず深夜1~3時頃車が動きだす

ちょっと異常行動に

出てきたのでマズイな・・・

 

萬里「ねぇ、萬里が運転するけん、

鹿児島の村さん所に行こう」

 

ダーリン「俺は

そんなんじゃないけん大丈夫、 今居るのも座敷童だし問題ないやろ」

 

あ、やっぱり・・・ またこのパターン

何か悪い性根のヤツをつれている時、

力のある霊能者のとこへ向かおうとすると、

色々な症状を引き起こし全力で拒否する

それは

 

後ろのヤツが

生身の身体を使って、

思い残しとなっている何かを

やり遂げようとする想いの強さ

もしくは、

 

憑いている人間を弱らせ

命を奪おうとする目論見がある時

 

萬里はこの時点ですでに

後者だと思っている

 

前にダーリンに

何かが憑いた時は

ダーリン自ら村さんへの電話を

要求したのに

 

今回は全力拒否

憑いてることに気付いてから

時間も随分経ってる

 

あまり猶予がないかも・・・

絶対村さんの力が必要な時だ