バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第一の人生】72の章

*登場人物*

・萬里→まだまだ普通の主婦

・ダーリン→萬里の夫

・ユカり→同じマンションに住んでいたダーリン先輩の嫁だったが、離婚して今は実家暮らし(自営業を始めようとして、家を担保に借金をしたが友人である内装業者に資金を騙し取られて裁判中)

・うっち先生→大分の整骨院の先生(気功を学び使い手になったらしい、高飛車で萬里は嫌い)

 

K美のことは

忘れていた

 

連絡が取れず

心配していたユカりに

萬里はメールを送り続けていた

 

そのユカりから

やっと返信がきた!!!

 

ユカり「ずっと連絡できなくてごめんね。 まだ、裁判も終わってはいないんだけど 体調がずっと悪くて・・・」

 

萬里「無理しなくていいよ、 時間かけないと

解決しないこともあるし」

 

ユカり「ありがとう。」

 

短い会話で

また連絡は途切れる

何にしても

返事が来たってことは 生きてるってこと これはこれでホッっとした。

 

ダーリンは相変わらず

うっち先生との縁が切れないみたい

 

まぁ、同僚や先輩達が

足繁く通ってるから

付き合いもあるのだろう

以前ほど傾倒してはいない

うっち先生は

ダーリンの心が離れてることに

気付いてるのか

まだ仕事復帰してないから

金ヅルとして

使えるからなのだろうか

 

最近特に

先生からの

プレゼントを受け取ってくる

 

うっち先生は

ダーリンを苦しめてた

落武者や男の子などなど 全く気付けなかったくせに

たいして能力もないくせに  

「私のインスピレーションで

選んだお土産だから」と

次から次に何かを手渡す

 

ある日、非常に怪しい

インスピレーションでチョイスされた

屋久杉の置物』の

お土産を持って帰らされる

屋久杉』

物としては

凄く良い物のはずなのに

それを萬里が手に取った瞬間

気分が悪くなる

 

気が合わないってやつかな・・・

 

そして

次に渡された物は 月と女性が描かれた絵画

誰が描いたかも

わからん絵画の裏には うっち先生の一言筆書きが ありがたそうに書いてあった・・・

 

萬里「うっち先生涙 なんか方向性変わってない?

なんでこんな偉そうなん?」

 

ダーリン「お前だいぶ

会ってないけんね~。

今は ヒゲ伸ばして仙人みたいになってる 会社組織作って、

全国飛び回ってるよ 精神論みたいな本も出してるし、 シールとか元氣になるグッズとか。

忙しいけん

最近はほとんど整骨院には居ない。」

 

より一層

怪しさが増してるふふっ。

 

萬里「もう、うっち先生から

物もらうの止めてくれん? どうせ『私の氣が入ってます!』

みたいなヤツなんやろ?

萬里には合わん!」

 

前にうっち先生から貰った

パワーストーンの時のように

影響受けて

体調壊すようなことは

もうこりごり

 

ダーリン「お土産!って渡されたら 『いらないです』とか言えんやろ・・・」

 

萬里「ま、そりゃそうだ笑 いいよ、もう。まとめて 村さんに処分してもらうけん!」

 

しばらく経って ダーリンの同僚が

家を建てることになった

新築ということなので

地鎮祭』をうっち先生に 頼んだそうで

久留米にお足を運ばれるらしい

 

地鎮祭?!」

整骨院の先生だったはず・・・

うっち先生

もはや何屋さんかわからない・・・

 

久留米に来たついでに

ダーリン君の家も 見に行ってやる。と

上から加減で

言われたらしいが

 

どうせ不安になるようなこと

言って帰るに決まってる

 

萬里的には

ウチには入れたくないから断れ!

ですよ・・・

 

が、やはり

断る理由が無いということで 我が家へようこそ決定!

 

萬里「それならせめて

萬里が留守の時にしてくれ・・・」

 

うっち先生は 萬里が留守の間に

我が家へ来て 勝手に色々と見て帰った

 

残した言葉は

うっち「玄関の置物が良くない 台所が良くない、これじゃあ 毎日ここに立つ

奥さんの体調悪いはずだ 寝室もあまり良くないから 私の『氣』を入れた

これを置いときなさい。

必要なら私がお祓いに来ますよ!」

 

って、

ウチ良いとこ無いじゃん!!!

しかもまた

なんか変な物勝手に置いていくし

 

魚の形した磁石とかふふっ。

これになんの効果が!?

 

お祓いって何よ!?

整骨院の先生が

『氣』を学んだからと言って

そんなことできる訳が無い

詐欺や!

 

ていうか このマンションは

新築でキレイなんだけど

入居前から なんとなく抵抗があり

新築にもかかわらず 空気がよどみ 快適な空間とは、

最初から思ってなかった

 

だけど

大した力もない

整骨院の先生に そこまで言われる筋合いはない!

 

とりあえず

無責任に不安を煽る先生に ムカついた

色々と言われたがために

気にしてしまう

ダーリンも面倒なので 指摘された物

捨てれる物は捨てて

うっち先生から貰った物は

全て村さんに処分お願いする

 

それから次第に

ダーリンとうっち先生は 疎遠になっていった

 

他の同僚はまだ付き合いを

しているらしいが あえてその場に

首を突っ込む事はなくなった

 

やっとですよ

本当にやっと・・・ふふっ。

 

あとは

早く仕事復帰してくれればいいだけだ