バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第一の人生】73の章

*登場人物*

・萬里→主婦です!

・ユカり→萬里の友人、最近あまり連絡が取れない(出店のため、家を担保に借金して、業者の友人に頼んで改装したが中途半端な工事でお金持ち逃げ。その後裁判)

 

色々と面倒な

人間関係が整理されつつある中

間もなく、萬里は妊娠した

もちろん、つわりは酷く ご飯もまともに

食べられない日は 6ヶ月過ぎるまで続いた

 

だいぶ落ち着いた頃に

名前も考えなきゃ と思い始めた

息子が小さい時から

一緒に考えていた

「次は女の子を産んで

『姫』という名前を付ける!」

 

実際

いつ生まれるかわからない

性別もわからない

産めるのかどうか

すら分からない頃から

こんな話をしていた

 

なので、もう

女の子が生まれる前提

 

『姫』の下に

もう一文字入れるとか

どんな顔してんだろう?とか

色々と想像して考える

その時間も楽しい。

 

実は萬里

受胎したその瞬間と

できた子供の性別が瞬時に分かる

だから 女の子の名前しかしか考えてない

 

なんとなく

ドタバタしていた頃 不意にユカりから連絡があった!

嬉しかったが、

その内容は

喜んでいられないものだった

 

ユカり「自殺未遂しちゃって、

何度も救急車で 運ばれちゃってね。 お姉ちゃんから

『自宅で面倒見るのは困難』

入院しろってことで

手続き進められて 来週から入院するよ。」

 

萬里「え?!

そんなに大変だったんやね・・・ 入院するのは久留米の病院?」

 

ユカり「いいや、

知り合いとか

誰にも会いたくないし ひっそりと療養できるように 大牟田の方に入院する。 今は、少し落ち着いてるから 2週間経てば

外出や外泊もできるって

言われてるし 子供達だけが支えだから、

時々家には 帰りたいから・・・ね。」

 

萬里「うん、わかった。 またメールしてもいい?」

 

ユカり「病院じゃ

携帯も取り上げられるみたいで 決まった時間にしか返せないけど たまにはメールちょうだいね。」

 

萬里「やった~!

また前みたいに遊べたらいいな~」

 

ユカり「うん、そうだといいけど その見込みは、今はないから 気長に待ってて。」

 

萬里「わかった、またね・・・」

 

色々と

気になることはあった

今でもユカりは

ユカり本人そのものではなく 何か別の人が

入ってるんじゃないか?! とか 思考や行動を

乗っ取られてるんじゃないか!? とか 考え出したらキリがない。

 

ユカりからの連絡は

絶対これで終わらせたくない! と思った

 

子供の名前についても

色々と迷ってるし ユカりの事も相談したいので 村さんの所に行こう!と 出産予定が1週間違いのミカちんと 妊婦2人で鹿児島へ向かった。

 

到着してすぐ

村さんに話したのはユカりの事

色々と今までの事を

一通り説明した

村さんは

全て知っていたかのように 戸惑いなく淡々と答えた

 

村さん「ユカりさんは今、

自分じゃない相手と 自分の身体の中で戦っています。

萬里さんにも以前言いましたが、 憑いている奴と自分の意識 最初は0:10(霊:自分)で始まって 自分の精神状態や

体力の有無によって 徐々に自分が負けていきます。

 

元々落ち込んでいたり

心身が弱っていたりする

隙のある人に同調して

寄ってくるので。

 

その点、萬里さんは

十分に元気があるので 5:5(霊:自分)

くらいまでは平気です。 なので、萬里さんに関しては

それまでは手を加えません。

 

でも、

他の人は3:7(霊:自分)くらいから 自分を見失い始めます。 自分の意識はあるのだけど、 自分では

いうこときかない意識

本来なら

コントロールできるはずの事が 出来なくなり、自分でありながら 自分ではなくなるのです。

 

今、ユカりさんは

4:6(霊:自分)くらいの状態 ですが、入院となると この後の状態は、

あまり良くならないと思います。

ユカりさんの現状は、

自分が自分の中で 小さく丸まって、

その周りを霊が 覆っているような状態です。

直近で萬里さんが

メールをやり取りできたのは ユカりさんが

本来の自分の意識

だったからだと思います。」

 

村さんの話の中には

萬里についての 若干腑に落ちない点もあるふふっ。 が 萬里が疑いを持っていた

ユカりに感じる霊の存在は やはり間違いではなかった

だからユカりは

萬里を避けていたのではないかと思った。

 

正確には

ユカりを支配しようとしている霊が

村さんと繋がっている萬里を

嫌がったのかもしれない

 

萬里「ユカり自身が

強く出てる状態の時を 見計らって、

入院先に会いに行こうと

思うんですけど 萬里に何かできることって

ありますかね?

もしよければ、

そこから電話するので ユカりと話してもらえませんか?」

 

村さん「いいですよ。 会えるんだったら、

今のうちに 会ってきた方がいいですね。」

 

萬里「あの、でも

精神科なんか

行ったことないんですが、 病院から連れ出して

会えるもんなんですかね?」

 

村さん「許可さえ取れれば

大丈夫ですよ。 ただ、萬里さんの足元は

ザワザワするかも しれませんがね、あはは~。」

 

萬里「え?それ

どういう意味ですか? なんかそんなこと言われると 意味わからんのに

怖いんですけど・・・。」

 

村さん「だって精神科の患者は 7~8割がた憑いてますも~ん。 自分の意識が乗っ取られて 負けてしまうから 世間的にも医学的にも 精神患者に仕上げられて

しまうんですよ。」

 

なによ、それぇぇ・・・ガーンネコショボン