バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第二の人生】19の章

*登場人物*

・萬里→主婦です!H氏から聞かされる話が非現実すぎてパニック!どうやら決断を迫られているようだ・・・。

・H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)萬里の知らない世界に、萬里をスカウト中!

 

 

悪坊主を超えれば良い

と簡単に言うが、

萬里にその可能性が

あるってことなのかな?

 

萬里「多分、

悪坊主に引っかかった人が

たくさん居るはずなんです、

 

今のお話が本当だとすると

萬里と同じように

身体に術をかけられた人は

みんな解けないまま過ごしてて、

 

霊達が身体に出入り繰り返して

体調が悪くなったり

生活がうまくいかなくなったりして

また、悪坊主に相談に行く羽目に

なっているんですかね?

 

まぁ、

そんな人達を救ってたのが

鹿児島の村さんだったんですが

みんながみんな

村さんのところへ

辿りつくわけではないし。」

 

H氏「そうですね。

残念ながら被害者は

たくさん居ると思われます。」

 

萬里「それと、H氏が

さっき言ってたように、

耳障りな鈴の音が

ウトウトした時やふとした時に

聞こえた気がする

ってことは時々ありました。

 

昔、高熱を出して

悪坊主から除霊をされたときに

聞いた鈴の音と同じだということを

今、思い出しました!

この鈴の音が

聞こえる現象はどういうこと

なんでしょうか?」

 

H氏「どうやら

そのお坊さんが

浮遊(幽体離脱)で

萬里ちゃんの様子?

監視?とでも言いますか

伺いに来ていたようなんです。」

 

萬里「え~!?

これまでたくさんの人を

騙してきただろうに!

なんで萬里のところへ来るんだ!?

術かけた人達を

その後も監視してるんですかね?

もう関わりたくない。」

 

H氏「それだけ人を騙し、

悪事を働いた人間は

絶対に普通の死に方は

できません。

その時を待つ事しか

できませんが・・・。」

 

萬里「ただ天罰を待て。

と言うんですか?

H氏は術を解くことができない。

萬里は悪坊主にはもう会いたくない。

でも、悪坊主を越えてしまえばOK。

 

ということは

萬里は自分の役目を

受け入れさえすれば

確実に術は解けるって

H氏は言い切れるんですか?」

 

H氏「はい、そうなります。

これだけは断言できます。」

 

萬里「じゃ、

前世を認めれば

今までの心と頭と身体の苦しさから

逃れられるんですか?」

 

H氏「前世は過去の事なので

萬里ちゃんの履歴です。

前世を受け入れるというより

『お役目』を受け入れる

というのが正しいですね。」

 

萬里「じゃ、

萬里がその役目を受け入れれば

本当に楽になれるんですね?!

身体も普通の状態で

何事もなく過ごせるように

なるんですね?!」

 

Hさん「・・・・・・・。

対応が出来るようになれば

今までよりは

楽になれるとは思います・・・。」

 

悪坊主の術を

萬里自身が解くしか方法がない

 

ならば『やる!』以外に

選択肢は無いじゃないか!

 

ただ「この現状から逃れられる!」

という希望と見通しだけの勢いで

決断してしまった

 

萬里「わかりました!!

萬里やります!!

やればいいんでしょ!

受け入れます!!

術解いてやりますよ!!

 

H氏「・・・・・・・・・。」

 

この時

H氏のひときわ長い『間』すら

気にならないほど

萬里は興奮状態だった

 

いつもの調子で

負けず嫌いというか

イケイケなノリというか

悪坊主に

ただムカついたというか

とにかく鼻息荒め

 

この先

大きく後悔することになるとは

この時

微塵も思っていない

 

萬里の『勢いでやらかしてまう癖』

てのは

いつまで経っても致命傷となるのだ

 

(;´д`)