バンリの箱庭

あの世とこの世とその狭間:萬道研究会

【第一の人生】54の章

*登場人物*

・萬里→まだなんの自覚もない主婦(病気の叔父ちゃんの回復を願う)事情の分からない刀とご対面

・おみ→叔父ちゃん息子(萬里従兄弟の長男)ケンカ強い、あちこちで暴れてる。正義感は強い方

・あき→叔父ちゃん息子(萬里従兄弟の次男)兄弟のツナギ役的存在、調和を図るタイプ(中性的)

・村さん→萬里が一番信頼しているお方、鹿児島のサラリーマンだが裏の顔はすごい能力者(今まで会った中で一番力がある)

 

 

叔父ちゃんの病気の原因

になっているかもしれない

刀を発見した

 

その鞘から

刀を抜こうとしている

 

ドキドキゆう★

 

おみ「うわぁっ!

スムーズに抜けない!!」

 

ガサガサ、ザリザリ

って音立ててるアセアセ

少しずつしか、

刀の刃が見えない

 

萬里「なにっゆう★

サビサビじゃんっびっくり

刀ってもっとギラギラ

してるもんじゃないのぉDocomo108

壊さんように、ゆっくり

ゆっくり!」

 

あき「えぇ!

こんなんやったっけ?」

 

おみ「城じいちゃんが

出してた時はもっと

キレイやったと思う・・・。」

 

萬里「とにかく

見るからに気持ち悪いけど

これの何がいかんのか

分からんし、

村さんに連絡して

鹿児島まで持って行こうか。」

 

おみ「そうやね・・・。

萬里ちゃんが行ける日で

村さんの予定と合うなら

俺代表で行くわ。」

 

叔父ちゃんには秘密のまま

鹿児島に刀を持って行くことにした

 

萬里と

長男おみ

次男あき

あきの彼女

 

こういう時は

何かが邪魔をする

鹿児島までは道のりが長いし

その間に何が起こるかわからない

 

感の有る無し関係なく

何かが村さんの元へ

行かせまいとして

引き留める出来事起こしたり

タイミングを奪ったり

体調が悪くなったりする

 

そこは経験済みなので

萬里はみんなに注意事項

として告げていた

 

体調が悪かろうが

怪我をしようが

予定を狂わせるような

引き留められる

出来事があっても

絶対集合場所まで来る事エクステンション

 

当日

萬里は朝から身体が重い

これくらいの不具合は

よくある事なので

負けることはない

萬里は運転手だ

 

おみも朝から頭痛があるらしい

あきの彼女も吐き気がしてる

車酔いするかもしれない・・・と

不安になっている

あきは特に問題ないようなので

何かあった時の運転手として

サポート

 

鹿児島が近付くに連れ

皆んなの不具合は増していく

休憩の時間多めに取りながら

辿り着くまでが長い

 

血の気が引くくらい

具合悪い状態で

やっと村さんの顔が見れた

みんなもう、倒れこみそうだ

 

萬里「村さん、

早くどうにかして下さ〜いゆう★

 

村さん「おぉ〜!

どれどれ、見せて下さいな。」

 

大漁旗に包んだ状態のまま

刀を渡すと

村さんなんだかウキウキしてる

萬里ご一行は死にそうなのに

村さんはなぜかニコニコ

 

村さん「えぇ〜!

随分錆びてますね〜

このまま保管してあったんですか?」

 

おみ「そうです。

これがあること自体

家族皆んな忘れてました。」

 

村さん「日本刀を見る機会って

滅多にないじゃないですか〜、

刀を手に取って見るの

すごく楽しみにしてたんですけど、

こう言っちゃなんですけど

ちょっとガッカリ〜。

これはちょっと別物ですね〜

あまり触りたくない感じです〜。」

 

萬里「なに悠長なこと

言ってんですかっ!

早く見て下さい!」

 

村さん「はいはい、

ちょっとお待ちくださいね。」

 

村さん沈黙・・・

 

村さん「これは、

大変な物でしたね〜。」

 

あ、なんかもう

すでに怖いゆう★

 

村さん「この刀、

喰ってますもん。」

 

なんだってぇ〜〜っDocomo108

0口00口00口0

 

萬里「なんすかDocomo108

なんか今軽〜い感じで

言うたけど

何て言いましたゆう★?」

 

村さん「あ、人斬って

血を吸ってるって事です

ははは〜。」

 

一同

ゆう★0口0ゆう★0口0ゆう★

 

すっげ、軽く言ってる

とんでもないことを

ものすごく軽く言ってる

 

おみ「その刀、

代々ウチにあった物なんですけど、

ということは、先祖の誰かが

その刀を使って人を斬ったって

ことなんですかね?」

 

村さん「はい、そのようです。」

 

萬里「えぇ!

時代によってはあることだとは

思うけど、そんな過去

知りたくなかったなぁ・・・。

どんな事情があったか

わからんけど

身内に人斬りが

いたってことでしょ?」

 

村さん「細かい事情は

分かりませんが、

この刀で斬ったのは間違いないです。

それで、ほら

俗に言うアレですよ、

『七代先まで呪ってやる』

血を吸ったこの刀に

斬られた人が呪いを込めて

入っちゃってますおばけ

実際、死に際に

そう言ってますね、

時代劇みたいに〜」

 

萬里「も〜うゆう★

なんでそんなエグい事

軽く言っちゃうんですかぁ0口0

本当にそんな事あるんですかDocomo108

 

あき「入ってるって?

その刀に取り憑いてるって

事ですか?」

 

おみ「でも、城じいちゃん

いつもその刀を大事に

手入れしてましたよ。

時間かけて毎日

磨いてました。」

 

村さん「はい、斬られた時に

この一族を絶対許さない。と

思ったみたいで・・・。

 

『七代先まで呪う』という事は

七代先まで主を潰していけば

その家系が絶えてしまう

ということを意味してるんです。

死に際に抱えた『怨念』の

為せる技ですね。

 

お祖父様が、

大事に手入れをしていたのは

その刀に入ってる人が

自分の世話をさせていたんです。」

 

おみ「どおりで!

城じいちゃん、

ほとんど目が見えなかったのに

刀の扱いだけは

見えてるかのようだった。

その姿が異様に見えて

子供ながらに近づいちゃ

いかんと思ってたんでした。」

 

村さん「取り憑かれたように

何かを一心不乱にする。って

いうでしょ?

それですよ!

生前、無下に扱われた分

死んでからの自分の世話を

させる事で優越感や満足感

みたいな感覚もあったようです。」

 

おみ「それに、刀はずっと

長男が受け継いでるから

父が亡くなったら

次に持つのは俺なんですよね。」

 

村さん「長男に持たせれば

確実に家系を根絶やしに

できるでしょ?」

 

あき「城じいちゃんも

早くから目が見えなかったり、

父も今

難病みたいな病気になったり、

長男にばっかり何かが起こって

家系的に見ても短命なのも

この刀に入ってる人の

せいなんですか?」

 

村さん「100%この刀の人が

起こしてるとは言い難いですが、

念の強さは凄まじいですから

近くに置いとけば

長男さんでなくても

誰かしら、不運や病気には

見舞われるとは思います。」

 

萬里「え、で、

これどうすんの?

そういえば『兄弟刀』

とか言ってなかったっけ?

それって何?

もう一本はどうなんの?」

 

あき「え?萬里ちゃん

兄弟刀って知らんと?

長いのと短いのがセットなんよ!」

 

萬里「知らん!

刀に兄弟がおると?」

 

村さん「長いのはコレみたいに

人を斬る物で

短いのは、脇差

長い刀の予備ですね。

自害する際に使用するとか

まぁ、接近戦や

野菜切ったりも

できるでしょうけど、

あはは〜。」

 

萬里「いや、あはは〜

じゃないでしょ涙

知らんかった〜。

だから、兄弟でそれぞれ

持ってんの?」

 

おみ「元々、家宝みたいにして

受け継いできたもんやけんねぇ・・・。

一応長男が大きい方で

弟が小さい方って単純に

分けただけやろうけど、

その刀にそんな因縁があるって

知ってたら、貰いたくはないね涙

 

萬里「村さん!とにかく

その中のヤツどうにか

してやってくださいエクステンション

 

村さん「はいはい、

こんなに触りたくない

刀も珍しいですよ〜。

しばらく、お待ち下さいね

あはは〜。」

 

恐怖の出来事も

村さんの手にかかれば

笑い話・・・ふふっ。

 

 

→<リアルタイムブログ・萬里の箱庭>

今度の座談会のテーマは『呪いと怨霊』